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« 機械愛 | 百年目の孤独 »

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予兆

二十程の白い錠剤を
一口の水で流し込む

飲まないと決めた彼の日の約束は
とうの昔に偽と成って

感じる 私が崩れ行く音を
誰が否定しようとも 其れだけは
私自身 肯定して居るが為に

小さなラベルの貼られた瓶は
直ぐに空と成っても

私の身体から外には出ず
只ただ消費されるので在ろう

感じる 私が壊れ行く音を
彼の日の真っ赤な夕日すら 現在では
記憶の中で塗られた色は 緑

其れでも不思議な事に
自我だけは苦しい程 はっきりしていて

どんなに崩れても
どんなに壊れても
消え去らず 残るので在ろう

冷静な私は
崩れ行く私を 嘲笑うので在ろう
壊れ行く私を 見捨てるので在ろう

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