枝杜来姫の展示室

ずっと昔
毎日みつけた感動を
あなたと共に感じていたのなら

どんなに幸福だろう

空色の花
豪奢なドレス
流れ落ちる水
初めて触れた口唇

すべてを持ち去ったと誇る
愛しい人

触れられない記憶の存在は知らない

地平線の陽
滲む汗の温度
砂と血の味

景色はもう残らない

伝えられない景色は胸に
伝えられない記憶とともに
焼かれる炎の中へ

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